2009年9月20日日曜日

バッハ《ヨハネ受難曲》

このサイトの整理をしながら
久しぶりにバッハの《ヨハネ受難曲》BWV.245を聴いています。

私は高校生の時、受験に失敗しました。
その時、私の大きな慰めになったのが《ヨハネ》でした。
リヒター指揮の抜粋盤を何気なく聴いていて
終盤の「憩え安らけかに,聖なる御からだよRuht wohl, ihr heiligen Gebeine」で、
なぜだか涙があふれてきたのを今でも覚えています。

この曲の後には、
コラール「ああ主よ,汝の御使いに命じてAch Herr, lass dein lieb Engelein」が続きますが、
当時の私は、なぜコラールで締めくくるのか分かりませんでした。
私の辛い気持ちは、「憩え安らかにRuht wohl」でなだめられて終わり、
その余韻を次のコラールで壊さないで欲しいという思いがありました。

それが、驚いたことに、いまでは納得がいくのです。
というより、コラールがなくてはならないとまで思います。
不思議ですね。

何はともあれ、
《ヨハネ》から、私の「バッハ生活」はスタートしたと言ってもいいくらいです。

その後、リヒターの全曲盤CD、ブリュッヘンのCDと聴いてきましたが
今は、アーノンクールが気に入っています。

アーノンクールのバッハは、教会カンタータ全集や
《マタイ受難曲》の最初の盤から聴いてきましたが
乱暴さや粗雑さがだんだんなくなり、
それでいて劇的な表現は研ぎすまされてきているように感じます。

最後の2曲はすこしあっさりしすぎているように感じるかもしれません。
でも、この作品で苦しさを吐き出し乗り越えた私にとっては
かえって生々しくない方がいいのです。

アーノンクールの《ヨハネ受難曲》  ワーナー WPCS-4474

1 件のコメント:

torajiro さんのコメント...

☆☆☆データベースのクラッシュで消えたコメントです☆☆☆


1. 菅野茂 wrote:

これはリリングのところで散々習いました。特にレチタティーヴォですね、苦労しました。おかげで今でもマタイのほうは手薄です。もっと手薄なのがマルコのほうかな?レチタティーヴォがないせいもあるし、でもコープマンが補筆した楽譜が欲しくなりましたねえ。

Reply to this comment | 2009年9月19日 @ 20:26
2. torajiro wrote:

へえ、レチタティーヴォの何を習うのですか?

Reply to this comment | 2009年9月19日 @ 22:05
3. 菅野茂 wrote:

活発ですねえ。僕が活発にさせたのかな?今日は車が使えないので暇です。さっき昨日録画した北野武の「座頭市」見てました。車がなくてどうやって明日オルガン弾きに行くのだろうか?

こういうので指揮で一番難しいのはレチタティーヴォです。他は特に教えなくとも誰でもできるのですね。レチタティーヴォハどこの指揮のクラスでも問題になりますね。

Reply to this comment | 2009年9月19日 @ 22:54
4. torajiro wrote:

そう。私も自分がもし振るとすれば
レチタティーヴォをどうするかなあと思うのです。
歌い手に任せると、どうなるか分からないですし
巧い歌い手だとすると、指揮者の音楽ではなくなりそうですし。
どこが、レチタティーヴォの指揮のキモになるのでしょう?

Reply to this comment | 2009年9月20日 @ 00:19
5. 菅野茂 wrote:

レチタティーヴォはあくまでも歌手優先ですね。一応リズムとテンポはありますが、単なる目安ですからそのとおりには普通行きません。ペーター・シュライヤーなどの指揮もする歌手は出所をわかりやすく暗示してくれますから凄くやりやすいですが、そういうことを知らない普通の歌手は非常にやりにくいです。彼らは自動的に合わせてくれるものと思って配慮が全然ないのですね。更に演奏の都度にテンポやリズム(呼吸)が違う歌手はめちゃくちゃですね。でもそこまでも処理するのが指揮者の仕事でしょう。

Reply to this comment | 2009年9月20日 @ 00:32
6. torajiro wrote:

私の経験では、多くの歌手は自分の声が十分出るかどうか
それを第一にしてテンポやブレスが決まってきます。
それだと、はっきり言って音楽にならない。
それって、単純に日本の歌手が下手ということですかね?
それとも指揮者のコントロールの仕方に芸がないのでしょうか?

たぶん、このサイトに興味を持ってくれる音楽ファンがいるとして
そういう点こそ、演奏経験のある人から聴きたいことだと思うのです。

そして、このサイトは、初心者も大歓迎でですが
そんなレベルで音楽を論じられる人、
情報を提供してくれる人を集めたいと思っているのです。
それが、いま、このサイトに懸命に取り組んでいる理由でもあります。

Reply to this comment | 2009年9月20日 @ 00:48
7. 菅野茂 wrote:

日本人だけの問題ではないです。例えばルネ・コロ!彼は一番良い声を見つけてから初めて歌うのでリズム・テンポ・演技がめちゃくちゃなのです。でもあの美声、ワーグナーじゃもう出ないのではないですか?ローエングリーンのときカラヤンと良く喧嘩してレコードの録音がなかなか進まなかったそうですが、わけは理解できます。あれだけ良い声だと曲全体も圧倒しますからそれで構成全体が崩れることはないと思います。

一方酷いのは昔のイタリアオペラの指揮者たちですね。今だったらネロ・サンティです。歌手の言うことばっかり聞いて歌手に合わせてばかりいる弱い指揮者です。そうするとオペラ全体のテンポ上の構成がめちゃくちゃになるのですね。やはりトスカニーニの言うことが正しいです。レチタテイーヴォなどの歌手に任せるべきは任せるのですが、普通のアリアの途中など常識的にテンポを変えてはいけないところは指揮者が指導力を持って楽譜通りやるべきですね。

Reply to this comment | 2009年9月20日 @ 01:02
* torajiro wrote:

ルネ・コロは、昔ミュンヘンのシュターツ・オパーで
ヴァーグナーの《リエンツィ》を見ました。
たしかに声もいいし、かっこいい。
槍を投げてもらって、わしっと掴む演技もやってましたよ。
掴み損なったらどうなるんだろって演技です。

で、リリングは、何を一番大切にせよと言うのですか?

Reply to this comment | 2009年9月20日 @ 01:11
8. 菅野茂 wrote:

まだ寝ないのですか?一時越している筈です。こちらはOKですが。

リリングは特に言いません。とにかくあわせるのが難しいからちゃんといっぱい練習しろぐらいでしょう。

Reply to this comment | 2009年9月20日 @ 01:42
9. torajiro wrote:

なんだ、案外、普通のことを言ってるんですね。

Reply to this comment | 2009年9月20日 @ 12:18
10. 菅野茂 wrote:

どこの指揮の講習会でも同じですね。特に大指揮者になれる秘密なんかみんな持っていませんよ。とにかくスコアを暗譜するまで学ぶ、後は振り、やり方は日本の芸大や桐朋と全く同じです。

Reply to this comment | 2009年9月20日 @ 18:52